株式会社風沙
日展作家名工優美印鑑美しい陰影、それは芸術の域 親から子へ心を込めて贈る
母が私に遺してくれた、たった一つの形見。
40年前、私は母から実印を贈られました。
そしてこれが、私の人生の中で唯一残った母からの形見となりました。
実印は他人に売り渡すことができず、しかも人生を左右するような大事な場面で使うもの。
生涯にわたる、自分だけの財産にほかなりません。
私も自分の息子に実印を贈ろうと考え、山梨県の「ハンコの町」、
六郷の存在を知り、 日展作家の佐野先生や、
総合印材卸業を営む柳屋の望月社長と出会いました。
そして、限られた人だけが触れてきた「隠れた本物」を知ったのです。
文字と「間」の調和こそ、印鑑の命だから。
良い印鑑とは、何年たっても気持ちよく使えて、飽きが来ないものだと私は考えます。
そのためには、「間」の取り方や線のキレ・冴えなどが結体(文字の姿)を生かし、
限られた面の中に文字が“楽しく”収まっていなければなりません。
手彫りの場合、そうした細かいところにまで神経を行き渡らせることができます。
印鑑に美しさを求めれば、素材も上質なものを。
一流の技能士にお願いするなら、素材も一流のものにしたいところです。
今は手彫りでもスピンドルという工具を使えば、
「荒彫り」という途中の工程まで誰もが楽に作業ができるようになりました。
ただし、その先は仕上げ刀を使うため、上質の素材のほうが彫りやすく、
技能士の腕の差も歴然と出ます。